神様の独り言
第9章 迷羊は神を知る
「――――あああああ…
私は、なんて…あんなことを…何で…道子様を不安にさせるようなことをしてしまったのか…」
泣き出し…道子に謝り続ける彼女を…優しく抱き締めた…
「大丈夫です…また、何か思い出したら教えてくださいね」
「ああああああ〜〜〜〜神よ…」
道子は、彼女の手当てを他の使用人まかせ――――…部屋を出た…
『道子――――…大丈夫?』
部屋を出ると…心配そうな顔で駆け寄るハキに…道子は、ホッとした―――――…
『道子様……何か分かりましたか?』
『ええ…… すこしだけ』
道子の暗い表情に…
酒井は、いたたまれなくなった――――――…
『道子様…今日は、道子様の好きな中華粥にしますか?』
酒井の心遣いに…道子の顔が少し和らいだ――――…
そして…ハキは、道子の手を優しく繋いでいた―――…