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神様の独り言

第10章 迷羊は神の影を知る


『――――恐れ入りますが…時田 和義と言う方は何をしたのですか?

――――…私は、その方とはあったことがないので…』



ハキは、聞いていいものか悩んだが…



スマホに文字を入力し…老婆に見せた――――――…




「――――――…時田 和義がこの村を知ったのは……

戦争中この村に疎開してきたのがきっかけだったと聞いとる……」



老婆は記憶を手繰り寄せるようにして…


空を見た…




―――…母親と…疎開で来たけど――――…

一月もしないうちに終戦を迎え――――…帰っていったらしい…




だが――――…少年の小さな記憶に…この不思議な村は深く刻まれた――――…


戦後……時田少年は、がむしゃらに働き…


一代で…巨万の富を築く不動産王となる――――…



だが…和義は…満足できなかった…



もっと上へ…


もっと…豊かに…


もっと―――――…もっと…






そんなある日…



疎開していた…声を操る巫女のいた村を思い出す…




そして…その村の出身の…一人の孤児を引き取る―――…




和義は、養子にしたその子供を…


能力を引き出す施設に隔離し…



洗脳…育成した―――…




だが…幼い子には過酷で列敦な環境に…



心と体……どちらも壊れてしまった―――――――…





能力は…多少でたものの…


和義の求める…力ではなかった…




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