神様の独り言
第10章 迷羊は神の影を知る
老婆が…重い腰を縁側から上げ立ち上がると――――…
ゆっくり―――――…背筋を伸ばし始める…
腰が曲がり…歩き難そうだった老婆だったが…
ピンと背筋が延び始めるが…
そして…
田舎臭いストールを首から外すと…
シワのない綺麗な首が現れた…
「――――――…特集メイクって凄いわね―――…」
ハキは、目を丸くする―――…
老婆だと思っていた人が…どんどん若返っていくのだ!!
白内障に見えた、濁った目は…コンタクト…だったし…
顔のシワやシミは特殊メイクで……
老婆は、微笑しながら一つづつ消していく――――――…
「―――――…さてと…時間稼ぎも出来たし…
君には…邪魔してほしくないのよね――――――…
ね?平井…裕太君……」