神様の独り言
第10章 迷羊は神の影を知る
早く!別荘に行かないと…
そう思いハキは、足を前に進めようとした―――――…
だが……背中に激痛が走り…
動けない…
「―――――う゛…ぐ」
ハキは、ゆっくり振り返り…
泉を…見た――――――…
「君は…私達には……邪魔な存在だから――――――…」
泉の手には…血に染まった包丁が見えた――――――…
手で…背中の痛みを押さえると…
ヌチュ…と…生暖かいヌルリとした感覚が伝わる…
「――――…ぐぁ…」
目の前が…霞む…
だが…ハキは、ゆっくり…別荘に足を進める――――…