神様の独り言
第11章 神は力を知る―――…
「あ――――――ぁぁ…
道子様…なんて…暖かいお言葉でしょう…
こんな木偶の坊に…
私は、道子様を…恨み…妬み……泉さんの…誘惑に負けてしまった…出来損ない…
気をつけて下さい…泉さんは……
ボクの力を使って……全てをひっくり返す準備をしてきた―――――――――…
僕が…ここで消えたら…道子様を…操り人形に………世界を――――――――…」
バキバキ!!メキメキ!
広間全体に火と煙が充満してきた――――――…
大樹は、道子の声に引っ張られ…
道子を崇め――――――…
自ら…車椅子を倒し…
火に飛び込んで行く!!
「大樹さん!!いや、ダメ!!まだ―――――――…」
「道子様―――――――…
こんなに幸せな…死はございません――――――ぐあああああああああああああああああ!!」
目の前で…大樹は、火に包まれた――――――――!
煙と火が…道子にも迫ってくる!!
天井からも…火の柱が落ち…
道子も…行き場を無くする!!
「やだ……ハキ!!ハキ…やだよ…ハキ――――――――――――――――!」
道子は、ハキの名を叫びながら…
燃え盛る炎に…一人閉じ込められる―――――――…
暑さと息苦しさに…
道子の意識も…どんどん薄れていく――――――――…
だが……火に包まれた…一点が…
開き―――――――…
誰かが入って来るのが……
道子の…意識の最後に見えた―――――――――…
「―――――――ハ…キ……」
道子の意識は…
煙に包まれ――――――…
途切れた…