神様の独り言
第3章 神様は立ち止まる
ハキ…と、呼ばれた少年は…
髪はボサボサで…目は隠れ…
襟足も長く―――――…
散髪をだいぶサボっていた事が見てとれる…
「――――――み…じ…」
道子を見て…何かを話しかけようと声を出そうとするが…
少年の口からは…唸るような…こもった声しか出てこない…
だが…綺麗な声をしていた…
道子は、少年の前に立つと…
前髪をかき分け…瞳を見つめ首を横に振った
「ハキ…いいよ…そのままで」
そう言うと…
道子は少年の髪を撫で…頬を触り…その指で耳がある場所を触る――――…
が…少年は、耳を触ろうとした指を…
避ける――――…
「ごめんなさい…
でも…その耳…私は安心するのよ?」