神様の独り言
第12章 神様は迷羊に救われる
寝室に入ると…道子は…大きく深呼吸をして…
ソファに座った――――…
酒井以外の使用人は部屋から出ていく――――――…
「道子様――――…お疲れ様でした、紅茶はいかがですか?」
「ありがとう酒井―――…本当に疲れました―――…」
道子は、手際よく紅茶を入れる酒井を見て…ホッと一息ついた―――――――…
「ありがとう…酒井…
これから…ハキと…頑張って行かないと―――――…
でも…お母様には…私たちが生きている事がバレているわよね――――…
はぁ……静かに暮らしたいだけなのに―――――…」
道子は、窓の外を眺め―――…
あることを思い出す…
「酒井……そう言えば…お父様は海外にも土地や建物を持ってましたよね――――…
海外に行こうかしら……
ハキと二人で……海外に…
もちろん…酒井も!」
道子は、空を眺め――――…
目を輝かせた―――――…
二人で静かに暮らせるなら…
誰にも邪魔されない場所に…
酒井は、二人の未来を異国の地でも…叶えられるなら…と、大きくうなずいた…