神様の独り言
第12章 神様は迷羊に救われる
時間になると―――――…
マンションにタクシーが止まり――――…
二人が降りてきた―――…
黒髪の綺麗な少女と女性の中間だった…美しい顔は…
この一件で…少し大人びた様に見えた――――――…
そして…もう一人は……耳にヘッドフォンを着けた…少年―――――…
だが…少年は、背中を何度も刺された事により…歩くのが難しいが、リハビリを続ければ歩くことは可能と…
今は、車椅子でタクシーを降りてきた――――――…
マンションのロビーに、酒井と使用人数名で…二人を迎える!!
『道子様!!裕太様!!』
酒井の手話も…一週間後ぶりだが…滑らかに、大きく動く!!
『酒井―――――…心配をかけました…』
他の使用人の手前…道子は手話で酒井に声をかけた…
『裕太様は―――――…』
『疲れたのか…車のなかで寝てしまったわ…
傷がまだ塞がってなくて…点滴もまだ外せないんですって…可愛そうなハキ…』
車椅子で寝ているハキを…道子はいとおしく頭を撫でる…
車椅子を押すのを酒井が変わろうとしたが…
道子が、
『いいの…やらせて…』
と、微笑む…
長い黒髪が…ふわりと揺れ…
道子とハキは、
我が家のマンションに帰ってきた―――――…