テキストサイズ

神様の独り言

第13章 老羊は静かに待つ



「―――――さてと…墓参りにでも行きますか……」



酒井は、花と線香を近くで買い――――――――…



造りの立派なお寺に寄ることにする―――――――…





「――――――…ここは…いつ来ても静かですね」




酒井は、寺内の墓地に足を踏み入れ―――――…


一際目立つ…りっぱな墓石の前で足を止めた…









“時田家之墓”






酒井は、時田家の墓の前で…


花を活け…線香を焚いた…





「先代様……


そろそろ…そちらに…お二人…行かれましたか?」




墓石の隣に…没名の書かれた慰霊碑を眺め―――――――…



新たに名を刻まれた二人を思い手を合わせる―――…






“時田 大樹―――29才”



“時田 泉――――36才”






時田の姓を持つこの二人は…


時田家の墓地に埋葬された…




あの世で…泉が和義の愛に触れる事を願い……



そして…大樹も――――…泉の真の優しさに触れられますようにと――…





時間をかけて祈った―――…





ストーリーメニュー

TOPTOPへ