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神様の独り言

第13章 老羊は静かに待つ



静かな……午後…





柔らかい日差しが…


高級マンションの…


最上階を照らす―――――…




そこには…ワンフロアを贅沢に買い取った…


時田家の令嬢宅がある…





広い寝室には…



天涯つきの大きなベッドが一つ…



その中には…




真っ白なナイトドレスに身を包み…



綺麗な黒髪をシーツに流し…


寝息をたてる姫がいた―――…





その…姫には……

悲しき呪いの力があったため…


人々や…自分まで苦しめた―――――…





だが…姫の力が効かぬ若者により…



救われる…



真実の口づけで…呪いが溶けたのだ――――――…






だが…



その少年と…姫は…



そのまま…


眠りに落ち――――――…


いまだに…覚めない…



お付きの
老羊は…二人の目覚めを…




今日も…祈り待ち続ける――――――――――――…








そして――――――…


姫の側には……



白い…寝間着姿の……耳のない少年が…



同様に寝息を立てている…



その二人の手は…




今日もしっかり……





繋がれている――――――――…









【END】――――――…




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