神様の独り言
第5章 神様は朝日を掴む
道子は、少年を浴室に導き…微笑む…
その笑顔だけで少年の心をほぐすことは不可能だが…
パニックは押さえられた…
「あ…う゛ぐぁ…」
少し落ち着き…
うめく力が少なくなっていく…
「大丈夫…大丈夫…」
道子は、届かないと解っていても…少年に語り続けた…
「大丈夫…大丈夫――――…
もう…貴方…もう…
大丈夫―――…守るから…」
少年は、シーツの隙間から…道子の唇を読む…
“大丈夫”“守る”…
少年は頭を横に振る――――…
大丈夫な訳がない…
守れる訳がない!!
少年の体には…無数の傷と…青アザ…
しかも…今回は――――…
獣に犯された跡も無数にある…
嫌われる―――――…
軽蔑される――――――…
死にたい…
死にたい…
死なせてくれ―――――…
もう…生きたくない…
もう…あの家に帰りたくない!!
殺してくれ!!
少年は、浴室の床に崩れ…
息苦しく…吠え叫び…
死を懇願する……