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12cm~越えられない距離~

第11章 魅きつける力

アキを連れて一階に降りると、母親がそれに気付き、明らかに残念そうな声をあげた。

「晶ちゃん、もう帰るの!?」

「ありがとうございます。お邪魔しました」

アキが頭を下げて挨拶する。

「送ってくるから」

俺が言うと、うんうんと頷き

「男なら当然よ。また遊びに来てね」

とアキに手を振る。

アキは笑いながらも、対応に困ってるみたいで、よく見ると顔が引きつっていた。

「はいはい、じゃ行こ」

さっさと店を出て、アキの家の方へ行こうとすると

「あー!!何だよ、彼女連れかよー!!」

突然の大声に、足を停められた。

こんな時にこんな風に声をかけてくる人、一人しか思い付かない。

振り返ると…出た!!肉屋のおっちゃん!!

「彼女じゃなくて、クラスメートだっての!!」

「またまたぁ」

にやにや笑いを浮かべて、俺からアキに視線を移し、ん?と戸惑いの顔をした。

「え…何か…?」

アキもその目線に戸惑っている。

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