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12cm~越えられない距離~

第11章 魅きつける力

…と、突然。

アキがプッと吹き出すと、喉の奥でクックッと笑いだした。

「何だ!?どうかしたか!?」

「ごめん。大丈夫…元気付けようとしてるんだよね」

そう言いながらも、体を震わせて笑っている。

「俺、変なこと言ったか?」

「違っ…あー、笑いすぎて涙出てきた」

「ダッセー」

俺も笑いを浮かべて、アキの頭をぽんぽんと撫でた。

「…元気、出た?」

「取り合えず、笑えるくらいには」

「そりゃあ良かった」

アキの悩みが解決するには、色々条件があるんだろうし、すぐって訳には行かないんだろうって容易に想像はつく。

だけど、バスケが好きだって思いがあれば、乗り越えられるかもしれない。

…ま、俺にも言える話だけどな。

俺も、乗り越えられるだろうか?

取り合えずはコンクール、か。

テーマは『希望』。

俺にとっての希望って…何だろう…?

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