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「うまく言えないけど…アキは魅せる力を持ってると思うんだ」

アキはクッと短く笑い

「何それ」

「要さんがアキのフェイクに驚いたのも、それを偶然じゃなく技として使えるようにしたいって言うのも分かる気がするよ」

アキは、空から視線を俺に向けた。

「俺さ、アキの試合してるの、球技大会の時まで見たこと無かったんだ」

元々バスケに興味あった訳じゃないし。

「だから、クラスの奴ら以外の応援の多さにビックリした。まさかファンクラブまであるなんて知らなかったし」

「あっ、あれは、あの子達が勝手にやってるだけで…」

焦りながら言い訳じみたことを話し出した。

「で、俺、バスケに詳しくないからこんな事言うのもどうかと思うけど…試合中、アキばっかり見てた」

「え…？」

「試合中のアキって、人を惹き付けるっていうか、人の注目を集めるっていうか…とにかく目が離せなくて、ずっと追ってた」

瞬きを何度もして、おずおずと口を開き

「え…っと…。それって…」

「それってさ、アキの魅力だと思うんだ。ファンがいるってのも、アキのプレーしてる姿を皆が見たいって思ってるから、じゃないか？」

アキは黙って俺を見ている。