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12cm~越えられない距離~

第2章 意外と…

新学期が始まって、特に何が始まるわけでもなく一日一日が過ぎていき…

今日は日曜日。

俺の家は雑貨店を営んでいて、部活もない日は店の手伝いをする事になっている。

エプロンを着けて、まずは店内の掃除。

「繚平、表も掃いてきて」

母親の言葉に返事すると、店先の掃除を始めた。

「りょーくん、家の手伝いか。感心感心」

斜め前の肉屋のおじさんか声をかけてくる。

「おっちゃん、オハヨー」

「感心だけどせっかくの日曜にデートもなしか」

「そういうのは彼女いる奴に言ってくれ」

俺が言い返すと、おっちゃんはにやっと笑って

「愛に飢えてるりょーくんに相談だけど」

「はぁ!?」

「今度、新商品でハート型のコロッケを出したいんだが、ネーミングで悩んでてねぇ」

「…何でハート型?」

「星形だと、抜くのが難しいから」

めんどくさい、じゃないのか!?…でも、何となく納得。

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