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12cm~越えられない距離~

第13章 認めなさい!!~晶side~

武道場の角まで走ると、壁に凭れて息をついた。

そのまま、ズルズルと壁づたいに座り込む。

顔が…熱い。

顔を隠すように膝に頬をくっつけてうずくまっていると

「アキ?」

真央だ。

「大丈夫?」

「…無理」

私の答えに、真央は笑いをこぼした。

「アキ、耳まで真っ赤」

顔を伏せたまま、両手で耳を隠す。

「そんなになるって事は、繚平君の事、好きなんだ」

「好きって…!!急に言われたら、誰でもそうなるよ!!」

「誰でも?誰からでも?」

顔を少しだけ上げると、真央がしゃがんで私を見ていた。

「違うでしょ?繚平くんだから、じゃないの?」

返事ができない。

真央は、私の額に人差し指を軽く押し当て

「いい加減、認めなさい」

「それ…」

「さっき、アキが言った言葉。そのまんま返す」

真央はクスッと笑うと、立ち上がってあーあ、とため息をついた。

「それにしても。お互い、変わり者好きだね」

「…確かに」

立ち上がってふふっと笑うと、真央が背中を叩いた。

「認めたね」

「真央もね」

二人でくすくす笑いあい…体育館に着くまで、手で顔を冷まし続けた。

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