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12cm~越えられない距離~

第17章 待ち合わせ

「ただいま!!」

玄関の鍵を開けるのももどかしくて、店から中に入る。

「おかえり。ありがとね」

ハハオヤがレジの前から声をかけてきた。

「さっき電話もらったわ。一期くんってば、おばさんのチャーシュー絶品って大絶賛だったの!!」

そう。俺がわざわざばあちゃんちに行ったのは、ハハオヤ特製のチャーシューを届けるためだったんだ。

「好評でよかったね」

返事をしながら靴を脱ぎ、肩から下げたバックを見せると、

「野菜もらったから。台所に置いとく!!」

それだけ言うと、急いで家の中に入った。

「何よぉ。それだけ?」

不満げなハハオヤの声が聞こえたけど、それどころじゃない!!

自分の部屋に入ると、とりあえず着替えを選び、すぐにシャワーを浴びる。

とりあえずざっと洗って出ると、水を飲んで時刻を確認する。

5時42分!!

髪を乾かして服を着ると、家から店に出た。

「夕飯要らないから!!」

「分かってます…って!繚平!?」

何か言ってるけど、今は時間がない!!

そのまま店を出ると、公園へ向かった。

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