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12cm~越えられない距離~

第17章 待ち合わせ

三井寺公園の、からくり時計の前。

そこにはノブちゃんの姿しかなかった…。

「ごめ…っ。遅れ…た」

走ってきたせいで息が切れて、上手く声がでない。

「大丈夫。時間ぴったりな」

その途端、からくり時計が動きだし、6時を告げた。

「真央たちは?」

「まだ。何か聞いてる?」

首を振って否定すると、ノブちゃんが首を傾げた。

すると、ノブちゃんの携帯が鳴り出した。

「真央ちゃんだ」

画面見る前に分かった…って事は、真央だけ着信音変えてるのか。

はぁ…。あっついなぁ。

「もしもし、真央ちゃん?…うん、一緒に公園にいる…え!?…ん、分かった。そっち行くから、待ってて」

待ってて、って。

待ち合わせ場所、ここだろ?

通話を終えたノブちゃんが俺を見て

「真央ちゃんたち、繚の家にいるって」

「はぁ!?何で?」

「さぁ?とにかく待ってるって言うから行こうぜ」

…せっかく走ってきたのに!!

それなら家で待っていればよかった…。

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