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12cm~越えられない距離~

第17章 待ち合わせ

ノブちゃんと俺の家まで並んで歩く。

「せっかくシャワー浴びたのに、もう汗だくなんだけど。俺んちに来るなら、急ぐ必要なかったのにな」

俺がぶつぶつ言うと、

「繚もか。俺もシャワー浴びてきた。手とか生臭くないか?」

ノブちゃんの差し出した手の臭いをかぐ。

「分かんない。大丈夫じゃねぇ?」

「そっか。よかった」

ホッとして笑顔になった。

「今日、バイトで鰯の中身とったからさ」

「へぇ!!皿洗いから昇格したのか!?」

「違う違う!!今日人手が足りなかったから」

でも、嬉しかったんだろうな。

すげぇ楽しそうな表情してる。

「板場の人、皆いい人でさ。手が空いたときなんかに話すると、色々教えてくれるんだ」

「そっか。よかったじゃん」

「今度教えてもらった料理作るから、食べてくれよ」

「やった!!ありがとう」

ノブちゃんはどんどん成長していくよなぁ。

見ていて羨ましい。

俺は…どうしたらいいんだろう。

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