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12cm~越えられない距離~

第17章 待ち合わせ

目が自然と棚の前の二人組に向く。

二人とも後ろ姿で顔は見えなくて。

一人は白地に緑と赤の花柄。髪を高く結いあげて、かんざしを飾っている。

もう一人、しゃがんで品物見てる人は。

紺地にカラフルな蝶々が舞ってる柄。

編み込みでまとめた髪を、バレッタで留めていて…

「え?二人とも、浴衣!?」

ノブちゃんが声をかけると、こっちを振り返った。

あ…。

やっぱり、真央とアキだ。

「じゃーん!!どう?似合う?」

真央が腕を広げて、浴衣姿をアピールしてみせると

「うんうん、真央ちゃんすげぇ似合う!!可愛い!!」

とノブちゃんが大絶賛する。

ノブちゃん、そういう事は平気で言えるのにな。

どうして肝心な事になると、何も出来なくなるんだろう?

ノブちゃんの誉め言葉に、真央はまんざらでもないらしく、照れ笑いを浮かべながらも嬉しそうにしていた。

「繚平くんは?何か言うことないの!?」

真央の指摘に、皆が俺を見た。



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