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12cm~越えられない距離~

第17章 待ち合わせ

真央のやつ!!

誉め言葉を強要するんじゃねぇよ!!

二人を見て…うん、似合ってる。可愛い。

けど。

面白そうな顔をして、俺たちの様子を見ているハハオヤがいる限り。

まともな誉め言葉なんて、口に出来るわけないだろ!?

「…化粧、してる?」

いつもより赤い唇のせいか、肌が白く見える。

「え?リップグロスつけてるだけだよ?」

真央が言い、アキと顔を見合わせる。

「なんか、歳上みたい」

俺の感想に、二人が絶句した。

「繚、それって誉め言葉だよな?」

ノブちゃんが慌てて話しかけてきたけど、俺が答える前に

「…変?」

アキが静かに尋ねた。

「いや、変じゃないけど…」

いつもと違うな、って。

いつも色つきリップなんてしないだろ?

急に『女』になった二人に、何て言ったらいいのか、正直戸惑ってる。

「変なら落とすから、ハッキリ言って」

「落とさなきゃならないほど変じゃないから、大丈夫」

……あれ?

俺、変なこと言ったか?

俺の言葉を聞いたアキは、口元をきゅっと引き締めた。

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