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12cm~越えられない距離~

第20章 花火よりも、もっと

「そろそろ河原行こうか」

花火が打ち上がるのが河川敷なので、近くで見たければ河原に行った方がいい。

その辺を歩いてる人も、皆河原を目指して歩いているようだ。

「そうだな。もうそろそろか」

「何か飲み物買ってく?」

「あたし、まだお茶が残ってるからいらない」

「あ、俺、何か買う」

「私も」

飲み物欲しいのは俺とアキだけだ。

「じゃあ、先行ってていいぞ。河原着いたら連絡するし」

「え?待ってようか?」

「道混んでるし、時間かかるかもしれないから先行った方がいいって」

アキを見て、同意を求めると

「うん。先行ってて」

「そう?」

真央は一瞬、迷うような顔をしたけど、

「じゃあ、行く?」

とノブちゃんに笑いかけた。

「あ、うん。行こうか!!」

笑顔で真央に返し、俺の側に寄ると、小声で

「繚、マジでありがとう!!」

「ま、頑張れよ」

「おう!!」

ノブちゃんが笑顔で頷いた。

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