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12cm~越えられない距離~

第21章 優しい人~晶side

「綺麗だったねー!」

「最後の垂れ柳みたいなヤツ!!連発サイコー!!」

花火大会が終わって、皆がテンション高く話しながら帰る。

そんな中、少しだけため息をついた。

下駄履くの、辛いなぁ…。

花火が始まる前、つまずいた時に、鼻緒で擦っちゃったんだよね。

レジャーシートで裸足だった分、これから家までの距離を歩くのが辛い。

…仕方ないよね。頑張ろう!!

痛い部分が当たらないように、浅めに履いて歩く。

うん、何とかなりそう。

安心して笑顔になった頃

「うわっ!!何だ!?」

後ろを歩くノブちゃんが、叫び声を上げた。

「え?」

ほぼ全員でノブちゃんを見ると

「…誰?」

幼稚園児くらいの男の子が、ノブちゃんのシャツの裾を握りしめていた。

「弟?」

「違う違う。僕、どうした?」

ノブちゃんが座って、子供の顔を見ると、急に顔を歪めて泣き出した!!

「お、おい、どうしたんだよ」

「もしかして、迷子!?」

真央の言葉に、余計泣き声が大きくなった。

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