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12cm~越えられない距離~

第2章 意外と…

「出来た」

手を止め顔を上げると、俺の手元に見入っていた根本さんとまともに目があった。

「あ、ありがとう」

根本さんは慌てたように一歩後ろに下がる。

何だろう?

その態度を謎に思いながらも、キーホルダーを手渡して、出来を確認してもらう。

どうかな。気に入ってもらえるかな。

一番緊張する時間を楽しみながら様子を窺う…と

「可愛い…」

その呟きと、目を細めてキーホルダーを見てる顔を見てほっとする。

良かった!!

「オッケーなら袋に入れるよ?」

「…あ、一個お願いしてもいい?」

「え…、何?」

「人参に色付けてくれる?」

「いいけど…」

そういうオーダーは初めてだ。

「普通に…オレンジでいい?」

彩飾用のペンを出して、オレンジを探す。

「あ…、緑色で」

オレンジを探してた指が止まる。

「何だろ…あんまり美味しそうじゃないのに食いついてるの、面白くない!?」

「うん…面白いな」

根本さんの感性って、いい意味で変わってる。

変わってるって言われ続けてる奴が言うんだから間違いない!!

内心そんな事を思いながら、根本さんの要望に応えるのだった。

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