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12cm~越えられない距離~

第21章 優しい人~晶side

「アキ?足、まだ痛い?」

急に黙り混んだ私を気遣うように、声をかけてくれる。

「ううん、大丈夫だよ!!」

わざとらしくならないように、笑って答える。

きっと繚なら。

自分の気持ちがどうでも、ノブちゃんと真央が巧くいくように手伝っちゃうんだろうな。

「繚も辛かったら言ってよ!?」

「俺は平気だよ」

「でも、我慢しないでよ!?」

「我慢してた人に言われてもなぁ…」

「何よ!?」

繚の背中を押して、真央達がいるところへ歩き出した。

そんな繚だから。

好きになったんだもん。

繚が誰を好きでも、関係ない。

私が繚を好きなことには変わりないじゃない?

何だか妙にスッキリした。

いつの間にか笑顔を浮かべて、繚の背中を押していた。

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