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12cm~越えられない距離~

第21章 優しい人~晶side

そらくんのお世話をしたのは、ノブちゃんだけじゃないのに。

どっちかって言えば、そらくんが泣き止んだのは、繚のおかげなのにな…。

「うん、そうだね」

繚は自分が誉められなくても、悔しがったり、ひがんだりしない。

誰が助けたとか、本当にどうでもいいんだな。

そらくんが泣き止んで、両親に会えたなら、それでいいんだ。

「だけど…繚もいい人だよ」

繚を見て、にっこり笑った。

縁の下の力持ち。

人が気付かないような所で動いてる人。

「そういうの、好きだなぁ」

言ってから、はたと気付く。

あれ?何か、告白したっぽくない…?

ちらっと繚を見ると、ノブちゃん達の方を見たまま

「ははっ。ありがとな」

簡単に返事が告げられた。

うーん…。これは、望み薄って事?

やっぱり繚は、真央が好きなのかな…。

花火の前も、真央の好きな人の事を気にしてたし。

でも、ノブちゃんも真央を好きだって知ってるから、言えないのかも。

真央がノブちゃんを好きなんだって分かったら…繚、どう思うんだろ?

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