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12cm~越えられない距離~

第23章 『好き』な気持ち

映画が終わって、施設内のハンバーガーショップに入った。

「何か…最後、あいまいな終わりかただったな」

「うん…話、続けられそうだもんね」

「公開して、評判がよかったら続編作ったりしてな」

「あー、あるかも」

アキが頷きながら答えて、ふふっと笑うと

「でも、あの終わりかたの方が、想像力膨らまない?」

「ん?」

「どっちを選ぶのかな、って。いろんなパターンがあると思うんだよね」

アキはアイスティーのグラスに挿したストローをくるくる回した。

氷とグラスが当たって、カラカランと心地いい音をたてる。

「下手なラスト作られるより、そっちの方がずっといいな」

「はぁ…なるほどね」

あとは受け手の想像力、かぁ。

「ちなみに、アキならどうする?」

「うーん…元々の彼氏かなぁ?」

「フリーターの?時給870円」

その途端、アキが笑い出した。

「そんなのよく覚えてるね!!」

アキのツボにはまったのか、笑いをなかなか止められないでいる。

そんな笑う話か!?

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