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12cm~越えられない距離~

第23章 『好き』な気持ち

「男らしくないから?」

さっきのアキの言葉を真似て言ってみる。

「何?それ」

「ん?さっきの真似」

すると、アキが笑いながら殴る真似をしてくる。

「冗談だけど!女子力はノブちゃんに勝てないし」

「あはは。それは私もそうかも」

「でもさ、アキには情けないとこ見せてるから、男らしいとは思ってないだろ?」

うわ。俺、完全に墓穴掘ってるな。

「そんな事ないよ」

え!?

「私、誰にでも相談してる訳じゃないよ?繚だから…聞いてもらいたかったんだ」

本当だよ、って表情が語ってる。

「…ありがとう」

こんな些細な事なのに。

嬉しくて、言葉が上手く出てこない。

「俺…役に立てた?」

「うん。程々にね」

「程々かよ!?」

「うそうそ!!大変貴重なご意見を頂きました。ありがとうございます」

「その言い方、嘘っぽい」

アキがくすくす笑うから、俺もつられて笑いだした。

本当。こんな些細な事なのにな。

アキじゃなきゃこうはいかないって思うのは、何でなんだろう?

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