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12cm~越えられない距離~

第23章 『好き』な気持ち

アキは、俺の事は『仲のいい男友達』位にしか思ってないんだろうな。

俺は、会う度に惹かれてくのが分かるのに。

「俺さ、これだけ思ってる事話せる女子って初めてなんだけど」

「…女子らしくないからね」

「んな事言ってないし」

ハンバーガーを齧りながらチラッと見る。

男ならハンバーガーを両手で持って食べないだろ?

何だかんだ言いながら、仕草は間違いなく女の子なんだよな。

そして、それを見て可愛いなと思ってる俺…重症だよな。

末期だ。

自分の考えに苦笑いを浮かべると

「笑ってるし!!」

アキが唇を尖らせた。

「違うって。これは別の話」

「どうだかね~」

アキもハンバーガーを齧り、しばらく沈黙が走る。

うーん…少しだけ、気まずい。

すると、アキが小さな声で言った。

「私だって…部活の悩みとか言える男の子、初めてだよ」

…へ!?

え!?そうなのか!?

アキくらいサバサバした子なら、男バスの奴とかとそういう話するかと思ってたのに。

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