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12cm~越えられない距離~

第23章 『好き』な気持ち

「強くなんかないよ」

口元をきゅっと引き上げると

「私もカッコ悪い姿、繚に見られてるし」

そして、ふふっと笑いを浮かべた。

「そうかぁ?充分かっこいいけどな」

「…それ、女に言う言葉じゃないよ」

上目使いに睨まれた。

「ん…じゃあ、凛々しい?」

「それもなぁ~」

首をひねって、不機嫌そうに唇を尖らせるから…どう言えばいいんだ!?

「筋が通ってる?ピシッとしてる…姿勢がいい」

思い付くままに言葉を上げていくと、アキが吹き出して

「何か段々ずれてく気がする!!」

「え!?そうか!?」

「そうだよ!!」

そう言ってくすくす笑ってる。

その笑顔を見て、自覚した。

「やっぱ俺、アキが好きだわ」

思ったまま口にしたのに

「それはどうも」

「うわ。反応薄っ」

ここまでくると、笑うしかなくなる。

微笑んだままアキを見ると、困ったような顔をして

「切り返し方が分からないの!!」

そう言って俯いた。

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