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12cm~越えられない距離~

第27章 手芸部

あれから。

クラスの奴らには面白がってからかわれるし。

真央は機嫌を悪くして、怒ってアキを連れて部活に行ってしまい。

それを見たノブちゃんは気落ちしてどんよりしているし。

散々な気分の中、皆美ちゃん一人が元気だった。

「さあ!じゃあ、手芸部まで一緒に行きましょう!!」

すたすたと先を歩く皆美ちゃんに、ノブちゃんと顔を見合わせた。

「何か…凄まじい子だな」

「ペース乱されるだろ」

「うん…繚が断れなかったのがよく分かる」

それを聞いて、苦笑いが浮かんだ。

だけどさ。

どういう訳だか、嫌でもないんだよな。

「先輩?どうしたんですか~?」

振り向いた皆美ちゃんが、キョトンとしている。

「いや、何でも」

首を振って、足を速めた。

真っ直ぐで、嘘がないから…かな?

言葉足らずな部分もあるんだけど。

それでも、利用してやろうって気概がないのが分かるんだよな。

だから…。

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