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12cm~越えられない距離~

第27章 手芸部

「ノブちゃん、どうしたの?文化祭の打ち合わせにしては早すぎない?」

「いや、今日はつきそい」

そう言って、俺を指差した。

「え…っと?告白中?」

瑠奈さんが手を繋いでいる(ように見える)俺たちを見て首を傾げた。

急いで手を離すと、皆美ちゃんが

「瑠奈先輩。こちらが中谷先輩です」

「こんにちわ…」

ぺこっと頭を下げて挨拶すると

「あ…美術部の!?」

瑠奈さんが、合点がいったと頷いて

「うちの驀進天使が迷惑かけたんじゃない?」

驀進天使!?

そのものズバリな代名詞だな。

「いや…それほどでも」

「作り方、教えてもらえる事になりました!!」

皆美ちゃんの返答に、瑠奈さんは同情するかのように薄く笑った。

「そう…頑張ってね」

「はい!!中谷先輩、よろしくお願いします!!」

満面笑顔の皆美ちゃんに、俺も薄笑いを浮かべて言った。

「そのキラキラ、もう少し抑えてくんない?」

「キラキラ…?」

キョトンと俺を見る皆美ちゃんに、ノブちゃんは笑いを堪えきれず、吹き出した。

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