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12cm~越えられない距離~

第27章 手芸部

正直なところ。

手伝ってあげたい気持ちが、ない訳じゃない。

皆美ちゃんを可哀想に思う気もする。

「繚、何とか力になってやれないか?」

ノブちゃんまで、俺と同じ気持ちになっていて…。

皆美ちゃん、すごい影響力だな。

「…分かった」

ため息まじりに答えると、皆美ちゃんが眩しいくらいの笑顔を浮かべた。

「本当ですか!?ありがとうございます!!」

そしておもむろに俺の手を両手で握りしめると

「私、頑張りますね!!」

そして俺の顔をじっと見つめてくる。

…何て言うかさぁ…。

完全にペースに飲まれてしまって、目をそらすタイミングさえ掴めないでいると

「お疲れー。…って、あれ?」

部室のドアを開けて入ってきた女の人が、俺とノブちゃんを見て疑問の声を洩らした。

くせっ毛なのか、ふわふわした髪を両サイドで縛っている。

「あ、瑠奈さん。どーも」

ノブちゃんが片手を上げて軽く挨拶した。

あ、この人が編みぐるみの作者か。

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