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12cm~越えられない距離~

第28章 やめちゃえばいいのに

それから数日後の放課後。


「アキー、迎えに来たよー」

いつも通りに、真央がやって来た。

「あ、うん」

「真央ちゃん、おっつー」

ノブちゃんが真央に声をかけた。

この二人、付き合ってるっていうのに、以前と何にも変わらない雰囲気で…

「ノブちゃんは?部活?」

「ん。文化祭で何を作るか検討会」

「そっか。決まったら試作品作るんでしょ?」

「もちろん」

会話を聞いていて、笑いをこぼした。

相思相愛って、もう少し甘いもんだと思うのにな。

「繚平くんは?」

「手芸部の手伝い」

口元を曲げて言うと、真央が

「美術部はいいの?文化祭、何かするんでしょ!?」

「今までに製作したものの展示やるだけだから。気楽なもんだぞ」

「へぇ…。そうなんだ」

いつの間にか、アキが俺の後ろに立っていた。

「それなら、文化祭までずっと手伝ってあげられていいんじゃない?」

「あ、あぁ。そのつもり」

俺がそう答えると、アキの顔から笑みが消えた。

「…そうなんだ…」

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