テキストサイズ

12cm~越えられない距離~

第28章 やめちゃえばいいのに

何か考えているみたいに見えて、アキに問いかけた。

「どうかした?」

「ううん。別に?」

アキは笑顔を浮かべると

「じゃあ、真央。行こうか」

「あ、うん。じゃあね!!」

真央はそう言って、アキと共に俺たちに手を振って、教室を出ていった。

「アキ、どうかしたのかな?」

ぽつりと呟いた俺に、ノブちゃんが怪訝な顔で

「どうかって?何か気になるのか?」

「何か…何だろうな。上手く言えないけど…」

首を捻る俺に、

「そういや、皆美ちゃんはどうよ?」

「ん?あぁ…手先は器用だし、筋はいい感じなんだけど…」

「ん?何だ?早くも問題ありか?」

ノブちゃんの面白がるような口調に、苦笑いを浮かべる。

「問題って言うか…ま、いいや。考えすぎかもしれんし」

ノブちゃんは

「ふぅん?」

訳分かんないなと言いたげな顔をした。

「じゃ、これから行くのか?」

「そうだな」

そう答えたのとほぼ同時に

「あ!!繚平、いた!!」

沢尻が走り込んできた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ