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12cm~越えられない距離~

第1章 出会い

第一印象は、とにかく背が高い子だな、だった。

ノブちゃんとすれ違った時に見た感じだと、175cm位あるんじゃないかな?

女子で、こんなにでっかい子、初めて見たかも。

肩に届かない長さのボブにした髪からのぞく首に目が行く。

背が高いから?何だか首が長く見える。

「根本ちゃんって、バスケ部だっけ?」

ノブちゃんが根本さんに声をかけた。

「…そうだけど…?」

「一年でレギュラー入りしたんだって?」

「…たまたま、なだけだよ」

あれ!?

一瞬目が細くなった。

「実力なきゃレギュラーは無理でしょ!?今年も活躍するんだろうなぁ」

「ふふ…どうだろうね」

「期待してるから。頑張れよ!!」

「ありがと」

そんな話をしていると、先生が入ってきた。

「皆、席につけよ~!」

「じゃあな」

ノブちゃんは急いで自分の席に戻った。

笑いを浮かべてノブちゃんを見送り、何となく隣を見ると…

何だ!?

口元を引き締めて眉間にシワを寄せてる。

どうしたんだろ。

思わず横顔に見入っていると、視線に気付いたのか根本さんがこっちを見た。

「…何?」

「いや…何も…」

小さく首を振り、視線をそらした。

目力すっげぇ強いな、この人。

一重の切れ長な目で見られると、妙に迫力がある…。

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