テキストサイズ

12cm~越えられない距離~

第6章 後ろから…

「美味しい!!」

ノブちゃんの弁当は、気合い入れまくったモノだった。

「このサラダもすっごく可愛い!!」

「大きめのプチトマトの中身くり抜いてポテトサラダ詰めたんだ。見た目良いでしょ?」

「うん。それに食べやすい」

彩りもよく、女の子受けしそうな大きさのおにぎりとか、唐揚げに可愛いピック差してあったりだとか…さすが女の子ばっかりの部活で料理してるだけあるよなって感心するものの。

これ…一体何時に起きて作ったんだろう。

「凄いね!部活でこういうの作ったりするの!?」

「部では弁当は作んないかな。栄養バランス考えて献立作って、料理して反省会やってーの繰り返し」

「へぇ…家庭科の授業みたいだね」

二人に質問されて、嬉しそうなノブちゃんの顔を見て、俺は笑いを浮かべた。

全く…。

仕方ない。ノブちゃんが喜んでるなら良しとするか。

パンダが抱えてるように見えるピックが刺さった唐揚げを一つ口に放り込むと、俺の携帯が鳴り出した。

「あ、ごめん。メール」

口をモゴモゴさせながら画面を開き…吹き出しそうになって慌てて口を押さえた。

「なっ…どうした!?繚」

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