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12cm~越えられない距離~

第6章 後ろから…

ノブちゃんがキョトンとして俺を見て

「お茶いる?」

「ティッシュか何かあるよ」

と女子二人が世話をやいてくれる。

「大丈夫…ありがと」

俺は口の中の唐揚げを飲み込むと、携帯画面をもう一度見た。

「何?誰から?」

「ハハオヤ。ノブちゃんにさっきの返事」

今朝、ハハオヤにノブちゃんが弁当作ってきたら写メ送れと念押しされて。

弁当食べる前に写真撮らせてもらったんだけど。

「えー、なになに?」

照れ臭そうに…でも自信満々で写真撮らせてくれたんだよな。

「こんなにオトメゴコロくすぐるお弁当作るなんて、やっぱりノブコだ。今度は家にご飯作りにおいで、だと」

俺が内容を読むと、ノブちゃんは目をぱちくりさせて

「それ…誉め言葉、だよな?」

「だな」

「相変わらず…分かりにくいなぁ」

そう言いつつ、めっちゃ笑顔じゃん。

そんなノブちゃんを、真央が不思議そうに見た。

「おばちゃんにノブコって呼ばれてんの?」

「え!?あ!!…うん…」

「何で?料理好きだから?」

「いや…繚のせい」

「俺のせいかよ?!」

「繚がおばちゃんに俺の話したら、女の子だと勘違いしたんだろ?繚のせいだろーが」

「手作りのクッキーやケーキくれる友達って聞いて女の子だと思ったって話だからな。俺のせいだけではないだろーが」

「そうだね。男の子だとは思わないよね…」

「え?真央ちゃん!?」

すると今まで黙ってた根本さんが、肩をピクピク震わせていた。

「…根本さん?」

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