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12cm~越えられない距離~

第6章 後ろから…

《晶side》

“5月17日 晴れ

真央、榊原くん、中谷くんと遊園地へ。

真央の後押しするつもりがあまり効果なし。

榊原くんのお弁当に感動!!”

日記を書きながら、思いだし笑いを浮かべる。

ほんとに女子力高いお弁当だったな…。

“榊原くんから呼び名を変えようと話があった。

私→アキ 榊原くん→ノブちゃん

中谷くん→”

そこまで書いて、あ、と気付いた。

まだ決めてなかったんだ。

繚平さん…繚平くん…繚ちゃん…繚?

繚、が一番しっくりするけど…

ただ単に隣の席になっただけで、個人的に仲いいわけじゃないし。

彼氏でもないのに呼び捨てって…いいのかなぁ?

うーん、と悩んだ末に

“中谷くん→?”

にしてしまった。

「ま、これから…かな?」

向こうからも面と向かって『アキ』って言われてないし。

もっと仲良くなったら、自然に呼べたりして…

ふと。ゲーム中に抱きついてしまったのを思い出して、今更ながら赤面してしまう。

美術部だし…どっちかって言えば細身なのになぁ…

背丈的には後輩と変わらないのに、 肩幅があるっていうか、固いって言うか、中身が詰まってるっていうか…。

オトコノコって、やっぱり女の子とは違う。

私は…『オンナノコ』として見られたのかな…。

今日一日を振り返ってみて、苦笑いを浮かべた。

女の子代表みたいな真央と一緒だったから、無理だな。

…さーてと。頭が煮詰まる前に寝ようっと。


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