テキストサイズ

12cm~越えられない距離~

第8章 1分の勝負

残り3分。

「アキー!!行けー!!」

「2B頑張れ!!」

「あと三点ー!!」

俺達も声援を贈る。

相手チームのパスをカットして、奪ったボールをドリブルしながら早島が攻めている。

アキをちらっと見て、パスが通らないと判断すると、シュートをしようと両手で掲げた。

前方からカットインしようと伸ばされた手が、早島の腕に当たる。

「あっ!!」

中途半端に手から離れたボールがコートで跳ねた。

審判のホイッスルの音が響く。

「プッシング!!2Bに2回フリースロー」

キャーッと歓声が響き渡る。

相手側のギャラリーからも、落胆の声が大きく聞こえた。

「よし!!チャンス!」

「ひかりー!!頑張ってー!!」

声援を受けた早島が、フリースローラインに立つ。

審判がボールを渡し、ボールを目前に構える。

狙って…シュートを放った。

中央狙いで投げられたボールは、バックボードに当たり、リングには当たらずに落ちる。

あぁ~!!とため息のような声がギャラリーから湧いた。

「あと1本!!頑張って!!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ