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12cm~越えられない距離~

第8章 1分の勝負

慌てて松木がガードにつくけど

「要(かなめ)!!」

バウンドパスを受けた人が、高めにパスを送る。

要と呼ばれた人がジャンプしてボールを受け取ると、もう一度ジャンプしてシュートを放った。

「さっすが要先輩。決めるなぁ~」

真央が感嘆の声を洩らす。

「真央ちゃん、どっちの応援してんの?」

「いいプレーを絶賛してんの!」

真央が小さく舌を出した。

確かに綺麗な流れだ。さすがバスケ部でいつも練習してるだけある。

だけどアキ達も負けてない。

アキにガードが二人もついていて、ボールを回せない。

残った四人でパスを回しながら攻めていく。

高崎がシュートを放った…けど、リングに跳ね返って決まらない!!

すると、アキがジャンプしてボールを指先で弾いた。

軌道を変えられたボールは、ストンとリングの中に入った!!

「何あれ!?カッコいい!!」

「タップシュートだよ。さすがアキ先輩!」

「アキ様ー!!」

ギャラリーの声援がより大きくなる。

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