テキストサイズ

12cm~越えられない距離~

第9章 絵を描く、という事

球技大会が終わって。

うちのクラスでは、女子バスケが準優勝したくらいで、あとは大した活躍もなかったようだ。

次のイベントとしては、期末テストと夏休みが控えていて…

皆がテスト週間に入る前に、部活動に勤しんでいた。

他人事のように言ってる俺も、真面目に部活動に励んでいる。

今日も放課後に部室に向かっていた。



「ちわーっす」

部室にいる人達に簡単に挨拶して、荷物を置いている棚に向かう。

さぁて。今日は何しようかな…。

自分の荷物から彫刻刀を取り出す。

すると、美術準備室の入り口が開き、部長が先生と入ってきた。

部長の名前は近藤満里奈。今年部長任命された、俺と同じ2年生だ。

肩より少し長い髪を両サイドで三つ編みにしている。

「ちょっと皆、集まってー!」

部長の指示に、皆が二人を囲むように集まる。

「夏休み明けに、市主催で絵画コンクールがあるのは知ってるよね!?」

あぁ…毎年やってるやつか。

「今年のテーマは『希望』です。…で、今年は全員参加で出品しますので、皆頑張ってください!!」

「はぁ!?」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ