テキストサイズ

12cm~越えられない距離~

第10章 『エース』の悩み

ある日の放課後。

俺は部活をサボって、家に帰ろうとしていた。

最近、部室に行く気にならなくて…。

理由は簡単。皆がコンクール用の絵を描き始めたから。

いや、絵を描いてるのはいいんだ。

そんな中で俺が彫刻刀を構うと、近藤が飛んできて何やらわめきだすのが面倒くさい。

…まぁ、俺が悪いんだろうな。

ふと前を見れば。

「…アキ!?」

本屋から出てきたアキとバッチリ目があった。

「え!?繚?何で?」

「部活サボった。…そっちは?」

「あ…私、も…」

は!?

「何か…あった?」

「あった…のかなぁ…」

ははっと笑いを浮かべてるけど、空元気なのはすぐに分かる。

「今、暇?」

「何で?」

「うち、来ないか?」

俺の申し出に、瞬きを何度かしてからしてから

「何で!?」

「暇なら、前に言ったモデル、頼めないか?」

「…あぁ…」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ