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12cm~越えられない距離~

第10章 『エース』の悩み

一応OKを取り付けて、並んで俺の家に向かう。

何か…二人だけで歩くの、遊園地以来だな。

ちらっと横目でアキを窺う。

相変わらず、背、高いのな。

アキが俺を見たので、慌てて『何?』って顔を作る。

「繚は…何でサボったの?」

「ん~、一言で言えば、居づらいから?」

「へぇ…。そういうの、気にしないと思ってた」

まぁな。普段なら気にしないんだけどな。

「そっちは?」

聞かれたなら、聞いてもいいかな…?

すると、アキが口を尖らせて、うーん、と唸った。

「言いたくないなら…」

いいけど、と言いかけたら

「まぁ…簡単に言えば、居づらい?」

「同じかよ!?」

笑おうとしたのに、アキの顔を見たら笑えなくて…。

「マジで…?」

「うん。自分でも意外」

ふっと自虐めいた笑みをうかべる。

「まさか練習サボるなんて。大会前なのにさ…」

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