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だぶるラブ! 僕の周りは花盛り

第1章 今日僕は入学します

 暖かい春の日。
 大きな木の枝には満開の桜が咲いている。

「桜だ!やっぱり、日本の花は綺麗だ」
 目を細め見上げる。


 絵に描いたような入学式日和


 僕は広瀬 俊季(ひろせ しゅんき)


 今日から、虹の丘学園付属 体育スポーツ学部 高大一貫校の生徒だ。

「ちょっと早く来すぎたかな…」
 周りを見回すが、生徒らしき人はいない。

 俊季は持ってきた鞄から手紙を出す。


  親愛なる 広瀬 俊季 君
このたび、突然のお手紙を差し上げる非礼をお許しください。
 私は、学校法人虹の丘学園学長 岸崎 寿と申します。
 異国の地で勉学をしている俊季君の器を我が学園は熱望します。
 つきまして、俊季君を特待生として迎える用意が出来ています。
 ぜひ、同封している航空券をお使いになって我が学園に……


(この手紙にのせられて、トントン拍子で話が決まったんだよな…)

 僕は得意競技もない普通の生徒。
スポーツをするより、見る方がいい。
 スポーツをしている人が輝いている所を見ていると幸せな気持ちになる。
 なのに、虹の丘学園からこんな手紙がきた。

(別に何かになりたいわけでもなかったし、受験もなくなるから、ラッキーと思っていたけど…)


  To my lover you…
   You do not pass anyone you…
    You are my…

呪いの言葉のように耳の奥で響く言葉


(あの状況から逃げるだけ…日本に帰りたかったのかもしれない…)

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