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「ん？」
　俊季がその声に反応して振り向く。


　　バン！！

　ものすごい衝撃が顔面に広がる。

（な？…！ッッ）
　痛いと共に目の前が真っ暗になる。


ドン！　　　ゴン！


　背中と頭に強烈な痛みが来る。


（イッーー！タァッッッ!ッッッッッ）

　意識はある。
　自分の身体に力が入らない。


「キャー！人に当たった！」
「どうした！」
「誰が投げた？」
「当たったのは、誰？新一年？」


　周りの声も聞える。


「だ、大丈夫！…」
　勝山の声が聞える。

　やっとの思いで、目を開けようと頑張るが、
明るさはわかってもよく見えない。


「……っ…ぅ…ぉ…ぃ」
（こ、声がうまくでない出ない…）



「お前が考えなく投げるから、死人が出る！」
　女の人の声がする。


「勝手に殺すな、息している」
　男の人の声がする。


（ああ…）
　意識がもうろうとしてきた。


「とりあえず、保健室、保健室」

「あ！………」

「………」

「………」


（あれ？…浮いた……）
　身体がふわっと地面から離れるのがわかった。

（ミカンのにおいがする…）
　そのまま意識が無くなっていった。