不器用なくちびる
第10章 別離
キス…だ…
好きな人とのキス。
これがファーストキスだったらな…
でも、息も出来ないようなドキドキ
の中で私は気付いてしまった。
これは…始まりのキスじゃない。
お別れのキスなんだね。
最初で最後のキス…
少しだけ長いキスのあと
その温もりは離れていった。
濡れた私のくちびるは
夏の終わりの暖かい風がすぐに
乾かしてしまう…
「ごめん…嫌じゃなかった?
今日でお別れなんて俺も寂しいよ。」
「ううん…ありがとう。
吉井くんを好きになって良かった。
…さようなら。」
タクトじゃなくて、ちゃんと私が
寂しいって言ってもらえたよ…
それに自分でちゃんと好きって言えた。
見えない手で背中を押してもらった
みたいだね。
なぜか涙は全く出なかったよ…
春菜ちゃん、ありがとう。
向こうから手紙だすね。
橘くん、ありがとう。
…ごめんなさい。
吉井くん、ステキなキスをありがとう。
辛かった学校生活の最後の日は
憧れの人の笑顔の想い出で
いっぱいになった。
好きな人とのキス。
これがファーストキスだったらな…
でも、息も出来ないようなドキドキ
の中で私は気付いてしまった。
これは…始まりのキスじゃない。
お別れのキスなんだね。
最初で最後のキス…
少しだけ長いキスのあと
その温もりは離れていった。
濡れた私のくちびるは
夏の終わりの暖かい風がすぐに
乾かしてしまう…
「ごめん…嫌じゃなかった?
今日でお別れなんて俺も寂しいよ。」
「ううん…ありがとう。
吉井くんを好きになって良かった。
…さようなら。」
タクトじゃなくて、ちゃんと私が
寂しいって言ってもらえたよ…
それに自分でちゃんと好きって言えた。
見えない手で背中を押してもらった
みたいだね。
なぜか涙は全く出なかったよ…
春菜ちゃん、ありがとう。
向こうから手紙だすね。
橘くん、ありがとう。
…ごめんなさい。
吉井くん、ステキなキスをありがとう。
辛かった学校生活の最後の日は
憧れの人の笑顔の想い出で
いっぱいになった。