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不器用なくちびる

第15章 決断

「それは脅しか…?」


「どうかしら…」


瑞希のくちびるが俺のくちびるに
押し付けられる。
皮肉なことにこれが
2人の初めてのキスだった…

瑞希は、俺が香山と会わなければ
香山に手は出さないと言った。

香山を守るためには、
もう会わないという選択肢
しかないのか…

せっかくまた会えたのに…
これ以上人を好きになることなんて
もうきっとないのに…


……………………


「橘?!」


今井の目の前で考えに耽っていた俺は
気付くと涙を流しそうになっていた。


「栞のことは私に任せて!
…橘のこと信じてるからね。」


今井はそれ以上何も聞かなかった。
ありがとな…
俺はいつか絶対
香山の隣を歩いてみせるよ。

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