不器用なくちびる
第16章 贖罪
父親が見えなくなると、
放心したように瑞希がつぶやいた。
「栞ちゃんのことはあきらめるわ…
でも橘くん、私わかるの…」
「………」
「一度快楽の味を覚えたら
忘れられないはずよ。
橘くんが言うように
栞ちゃんがもし純粋な心を
持ったままだとしても…
カラダは男の良さを憶えているのよ。
そういうものなの。
そんなの橘くんは耐えられるの?」
瑞希は橘の目に少しでも動揺の色が
浮かぶのを期待するかのように
じっと見つめていた。
「瑞希…
これからが本当に辛くなるんだ。
他人の心配をしてる場合じゃない。
姉ちゃんのとこでリベンジポルノの
相談にも乗ってるから…
まずは俺が配ってた冊子を
一度ちゃんと読んでみろよ。
俺たちは、相談者がたとえ
どんなに相手でも誠心誠意
対応してやるから。」
限りなく優しいけど、
冷め切った橘の声や表情に…
瑞希はくちびるを噛み締めた。
放心したように瑞希がつぶやいた。
「栞ちゃんのことはあきらめるわ…
でも橘くん、私わかるの…」
「………」
「一度快楽の味を覚えたら
忘れられないはずよ。
橘くんが言うように
栞ちゃんがもし純粋な心を
持ったままだとしても…
カラダは男の良さを憶えているのよ。
そういうものなの。
そんなの橘くんは耐えられるの?」
瑞希は橘の目に少しでも動揺の色が
浮かぶのを期待するかのように
じっと見つめていた。
「瑞希…
これからが本当に辛くなるんだ。
他人の心配をしてる場合じゃない。
姉ちゃんのとこでリベンジポルノの
相談にも乗ってるから…
まずは俺が配ってた冊子を
一度ちゃんと読んでみろよ。
俺たちは、相談者がたとえ
どんなに相手でも誠心誠意
対応してやるから。」
限りなく優しいけど、
冷め切った橘の声や表情に…
瑞希はくちびるを噛み締めた。