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不器用なくちびる

第17章 君と

「波多野ももう2度と会いに来ない。
香山…やっと始められるんだ。
俺たち2人で幸せになろう…
ずっと一緒に歩いて行くんだ。」


え…?それって…
涙が出そう…


「あ、告白する前に
プロポーズしちまった(笑)

…香山…大好きだ…愛してる。
俺と付き合って欲しい。」


「橘くん…
…私も大好き…夢…みたい…」


橘くんの瞳が急に熱を帯びる。
そして…
そのくちびるが
私のくちびるに重ねられた。

あぁ…橘くん。
大好きな人とのキス。
始まりのキス。
こんなに素敵なことを今まで
知らなかったなんて。

その時、映画が終わったらしく
ロビーが急に騒がしくなった。

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